2011年9月15日木曜日

北信、東信、中信、南信の4地域は

自然地理や歴史や交通などの各面で、特徴が全く異なっている。これは、「信濃の国」(県歌)における「松本、伊那、佐久、善光寺」の4区分にも象徴されている。 大まかに分けると、北信、東信、中信、南信は、それぞれ長野県の北部、東部、西部、南部の地域となっており、北信と南信を除いて、4地域は互いに接している。長野新幹線・信越本線・飯山線・小海線や国道18号・上信越自動車道の沿線である北信と東信は、千曲川流域で主に中山道と北国街道沿線に当たる。北信は、新潟県・群馬県に接しており、戦国時代には村上氏・武田氏・織田氏・上杉氏の支配圏に置かれて来た。善光寺街道沿いであった経緯や長野新幹線・上信越自動車道で接続していることから、新潟県、群馬県、東京との繋がりが深い。近年では、首都圏からの観光客も多く訪れている。また、中信とは長野自動車道・篠ノ井線により接続している。北信は、長野盆地を中心とした地域であり、新潟県に近いことから、海水浴で日本海へ行く者も多い。

一方の東信は、群馬県・埼玉県・山梨県に接しており、戦国時代には武田氏・織田氏・徳川氏・北条氏・真田氏の支配権に置かれてきた。中山道と北国街道の合流点であった歴史的経緯や北信と同様に長野新幹線・上信越自動車道で接続していることから、浅間山や碓氷峠を越えた群馬県、東京との交流も深い。 また、野辺山高原を経由する国道141号・小海線により繋がる山梨県との交流も深い。山梨県との間には、現在、中部横断自動車道が整備中である。 三国峠 (長野県・埼玉県)を経由して、埼玉県とも接しているが、道路事情が悪いため物流はほとんどない。 道路で雁坂峠の国道140号が開通する前には、碓氷峠 - 東信 - 山梨県 - 静岡県大井川以東のルートが、国道16号圏内を経由せずに関東地方内を迂回する最短ルートとなっていたために、関東志向が最も強い地域になっている。これらに対して、中央本線・飯田線・大糸線や中央自動車道・長野自動車道の沿線である中信と南信は、中山道、甲州街道、千国(ちくに)街道(糸魚川街道、松本街道)、北国西街道、三州街道沿線に当たる。

中信は、新潟県・富山県・岐阜県に接しており、戦国時代には小笠原氏・仁科氏・木曾氏を経て、武田氏・織田氏の支配権に置かれてきた。中山道、甲州街道、千国街道(糸魚川街道、松本街道)、三州街道の沿線であったことから、新潟県、岐阜県、山梨県、愛知県、東京都との交流が深い。北国西街道沿線には、長野自動車道が整備されており、長野地域と接続している。 中信地域の北部に位置する大北地域は、飛騨山脈のすぐ東側に位置しており、登山・スキーなどの観光が盛んで、日本最大規模の八方尾根スキー場があり、長野オリンピックの会場にもなった。観光客としては、関東地方からだけでなく関西地方からの観光客も多い。 また、国道147号・国道148号を経由して繋がる新潟県との交流もあり、山岳観光ルートの立山黒部アルペンルートにより富山県とも接している。 また、中信地域の中部に位置する松本地域(中信)は、諏訪地域(南信)とともに中山道と甲州街道の沿線として発展した地域で、山梨県、東京都、岐阜県(東濃、飛騨)との交流が深い。

中信地域の南部に位置する木曽地域(中信)は、広域の名古屋圏(中京圏)であり、歴史的に中世以前は美濃国に属し江戸時代には尾張藩領であったことや、国道19号(中山道)を通して、岐阜県・愛知県と接続しているため、経済や文化の面で繋がりが深い。一方、南信は、山梨県、静岡県、愛知県に接しており、戦国時代には諏訪氏・武田氏・織田氏・徳川氏の支配圏に置かれてきた。中山道、甲州街道、三州街道の沿線であったことから、山梨県、東京都、静岡県、愛知県との交流が深い。諏訪地域は、松本地域(中信)とともに中山道と甲州街道の沿線として発展した地域で、山梨県、東京都、岐阜県(東濃)との交流が深い。 また、飯伊地域(南信)は、広域の名古屋圏(中京圏)であり、中央自動車道・国道153号(三州街道、足助街道)を通して、岐阜県東濃地方・愛知県尾張・西三河地方と接続しているため、経済や文化の面で繋がりが深い。さらに、飯伊地域では、静岡県・愛知県東三河地方とも隣接しているが、道路事情が悪いため、物流が発達していない。

現在、三遠南信自動車道(飯田市 - 浜松市)を建設中であるが、全通するかは未定である。また、JR飯田線、国道151号線で、新城市・豊川市を経て豊橋市に出られる。水系は、北信・中信(松本地域、大北地域)・東信(一部を除く)が日本海側水系に属するのに対して、南信・中信(木曽地域)・東信(佐久市・立科町・南牧村の一部)は太平洋側水系に属している。長野県は古くから、中山道、北国街道、甲州街道など、国内を東西南北を結ぶ交通の交差点に位置し、その流れから現在においても主要幹線交通が交わる。また、広く山国の長野県において、県内各地を結ぶ交通網は重要な機能を担っている。関東地方や近畿地方からの距離があり、広大な面積を持つ県なので、JR本州3社全ての管轄路線が存在している。特に伊那谷と木曽郡は、首都圏(東京・鎌倉)と畿内(大阪・京都・奈良)から等距離に位置している。1990年代前半までは高速道路(長野自動車道・上信越自動車道)や新幹線(長野新幹線)が開通する前までは、地理的事情等で他県や関東等へのアクセスのしづらさから『陸の孤島』と呼ばれた時期があった。

長野県は以前は教育に熱心で「教育県」と呼ばれていたが、戦後数十年はそのイメージが薄れつつあった。しかし2002年度(平成14年度)より田中県政下において、公立小学校の30人規模学級が進められ、2005年度(平成17年度)には、小学校1 - 4年生の4学年にまたがる完全30人学級が、全額県の費用負担により全国で初めて実現した。また小学校5、6年生に関しては、市町村と共同で行われている。長期休みに関しては、長野県の気候の関係による「寒中休み」も一部の学校で実施されているが、冬休みや夏休みなどの長期休業が短いため、他の都道府県よりも年間休日数が少なく、その分多く学校に通っている。長野県の県立高校の正式名称は、高等学校設置条例(昭和39年12月28日長野県条例第64号)第2条により「長野県○○高等学校」となっており、「長野県立○○高等学校」といった「県立」の名称は用いない。長野県の県立普通科高校は私服通学(私服校)が多い。

中学時代には、高山登山行事が長らく続いており、伝統がある。教育における女性の発言力が強く、女子小・中・高生の体育でのブルマー採用を全国でいち早く廃止した。また現在は男子の短パンも姿を消し、県内の全ての小・中・高でハーフパンツを体操着に採用している。一方で女性の学校教員は少ない。長野県内のCATV局の数は山梨県・徳島県・佐賀県と同じく、全国平均から見てもとても多く、それに伴ってCATV加入者も長野県全世帯の半数を超え、局数も20局を優に超えている。これは、地理的な理由から長野県には山地が多く、このことによって難視聴地域が多く存在していたために、ケーブルテレビが発達したからである。民放が4局ある地域で、このように加入者が過半数に達することは珍しい。現在、長野県には民放が4局あるものの、長野県にCATVが発達して間もない当時は、民放の数が少なかった。そのために、難視聴地域解消という目的以外にも、県内における情報格差是正を目的に県内主要CATV各局は長野県域民放局の再送信に加え、在京民放キー局(木曽地域・下伊那地域では在名民放基幹局)の再送信(いわゆる区域外再送信)を実施。結局、この在京キー局の区域外再送信は、県内に民放が4局開局した現在も続けられることになる。

長野県のCATV加入者の大半は現在でも県域民放4局に加え、在京キー局5局(日本テレビ・テレビ朝日・TBS・テレビ東京・フジテレビ)または在名基幹局5局(東海テレビ・中京テレビ・CBC・メ〜テレ・テレビ愛知)の視聴が常時可能な状態になっている。ちなみに、CATV局によってはこの区域外再送信を30年以上も続けているところもある。