「甲州文庫」をはじめとする郷土資料が保管されており、1978年に山梨県立美術館が開館し近代以前の美術資料を収集し、1982年(昭和57年)には山梨県立考古博物館が開館し考古資料収集の中心施設となり、これらが郷土研究の中心施設となっていた。こうした中で同博物館の基本構想は、御坂町(現・笛吹市)出身の歴史学者で館長に就任が予定されていた網野善彦が中心となって作られている。網野は開館前年に死去したが同博物館のコンセプトは“網野史観”を反映したものとなっており、山梨に暮らした民衆が、どのように自然と付き合ってきたかという部分に主眼が置かれている。収蔵品は山梨県に関する考古資料や歴史資料、美術工芸資料や民俗資料を中心に収集している。また、山梨県立図書館に収蔵されていた「甲州文庫」などの郷土資料や山梨県立美術館に収蔵されていた大木コレクションなど江戸期までの美術資料も移管され、歴史・美術工芸・民俗など分野別や低湿度収蔵庫など大小8つの収蔵庫がある。
また、地域博物館として、収蔵品や企画展に関するツアーや年中行事に関するイベント、民俗芸能の実演などを実施している。開館初年度の企画展「やまなしの道祖神祭り」は山梨県内各地域の協力を得て多様な道祖神祭りの飾り物を展示し、道祖神祭りや芸能保存会への参加者が増加し、演目の復活など祭りの活性化にも繋がり、博物館活動が地域の民俗へも関わる試みとなった。古代甲斐国の交通・交易の様相に関して考古学・文献史学の両面から検討を行う。古代甲斐国における交通路の確定や、『山梨県史』において指摘された古代甲斐国が東山道と東海道の結節点にあたるとする平川南の指摘を受け各種論考が提言される。また、報告書では古代甲斐国の交通・交易に関する史料を集成している。 常設展示は「山梨の風土とくらし」「甲斐を往き交う群像」「共生する社会」の三部構成。「山梨の風土とくらし」において、「山に生きる」「里に暮らす」「城下町の賑わい」ではジオラマ展示が行われており、古文書や絵図資料、考古資料や民俗資料、聞き取り調査などに基づいて建物の模型や小道具、デフォルメされた人形が作成され配置されている。
「山に生きる」では、黒川金山での粉成の様子や「佐野山小屋見取図」に基づいた山中のそま小屋の様子、『甲斐叢記』に基づいた市川大門の紙漉小屋の様子、奈良田の焼畑農耕の様子などが再現されている。「里に暮らす」では近世のムラの営みと歳時記をテーマに、東部地域の養蚕民家がジオラマで再現されており、ノラのジオラマでは畑や水車小屋などが再現された情景模型で、米麦二毛作や綿花、煙草、果樹、里芋栽培など甲斐国の諸産業や四季の移ろいが表現されている。「城下町の賑わい」では甲府城下町のジオラマが三台配置されている。甲府八日町(甲府市中央五丁目)札の辻にあった高札場のジオラマは『裏見寒話』や『甲府買物独案内』所載の「甲府繁栄之図」に基き城下町の入り口である高札場の番所や木戸、火の見櫓などが再現されており、同じく八日町にあった菓子商である升屋・若松屋前のジオラマでは、『甲斐廻手振』『甲府八日町初売之景』に基いて初売りの様子が再現され、初荷が積み上げられ人々が押し掛ける正月の様子が再現されている。
柳町三丁目(甲府市若松町)の甲府道祖神祭りのジオラマでは、軒先に飾られた幕絵や辻に立てられたオヤマなど道祖神飾りが再現され、道祖神祭りの様子が復元されている。また、各ジオラマには甲府城下町の地下を流れていた甲府上水も再現されている。山梨の風土とくらし - 原始から現代に至る山梨の自然と人との関わりに関する展示。 鎌倉時代後期の作。甲斐国における浄土真宗の拠点寺院であった等々力山万福寺の旧蔵品で、2幅の大画面に浄土宗開祖法然の生涯が描かれている。画面寸法は各縦153.7センチメートル、横110.5センチメートル。掛幅形式の絵伝が成立した初期の作例。初期の浄土真宗では布教の際の念仏勧化法として「絵解き」を行っており、万福寺を再興した源誓坊光寂により甲斐での布教に用いられたものであると考えられている。万福寺は江戸時代に転宗問題で寺勢が衰えて寺宝の多くが散逸し、本図をはじめ西本願寺所蔵の親鸞聖人絵伝や東京藝術大学・シアトル美術館所蔵の源誓上人絵伝などが旧万福寺所蔵品として現存している。
平成17年5月2日、山梨県指定有形文化財に指定され、平成22年国の重要文化財に指定された。野外には、身延町小原島で発見された化石を含む古富士川海峡の砂岩や鰍沢河岸に植えられていた松、甲府市上石田自治会所有であった道祖神などの展示物がある。ほか、敷地内にはシンボルツリーのヤマナシの木をはじめ、明治以前から山梨県内に生息していた約4万種の草木が植えられているほか、「みのりの里」では山梨県の特産品で「甲州八珍果」と総称されたモモやブドウなどの果樹林があり、県指定天然記念物の果樹を接木により保存する試みが行われている。地方独立行政法人山梨県立病院機構 山梨県立中央病院は、山梨県甲府市富士見にある医療機関である。山梨県の災害拠点病院の中心である基幹災害医療センターに指定されているほか、山梨県唯一の総合周産期母子医療センターを持つなど、多様な機能を有する。2010年4月1日より、特定地方独立行政法人である地方独立行政法人山梨県立病院機構の運営に移管。
山梨県における中心的な医療機関であり、救急医療(山梨県内では唯一、三次救急医療の指定を受けている)は勿論がん患者や結核患者、さらにはエイズ患者も受け入れている。近年施設の老朽化と受け入れ体制の強化を目的に改築工事が行われ、同時に増床されている。駐車場など一部施設においてPFI方式が取り入れられ、民間業者が運営・管理している。4番乗り場より山梨交通バスにて15分、県立中央病院下車。県立中央病院行きまたは県立中央病院経由のバスは全て病院内のバス停まで乗り入れる。待ち時間があいてしまう場合は、飯田経由のバスに乗り、県立中央病院入口で降りて5分ほど歩いて行くこともできる。 竜王駅より山梨交通バス77系統「中央病院・伊勢町経由市立甲府病院行き」にて10分、県立中央病院下車。中央自動車道甲府昭和インターチェンジより車で10分。