2011年3月28日月曜日

2010年3月14日からは

富山地方鉄道富山市内軌道線に導入されたIC乗車カード「Ecomyca(えこまいか)」とも相互利用を開始した。定期券やオリジナルグッズなどの販売窓口は、JR富山駅北口駅舎内と城川原駅の本社内にあり、プリペイド券の販売機も設置されている。また岩瀬浜駅近くの岩瀬カナル会館にも販売機が設置されている。チャージについては、この3箇所に入金機が設置されているほか、車内の運賃箱でも可能である。なおプリペイド券については、2007年(平成19年)9月の用途拡大に伴い、沿線以外でも購入やチャージができるようになった。ポートラム後方入口に設置されているパスカセンサー乗降については、後寄りの車両のドアから乗車して、前寄りの車両の運転席横のドアから降車する「後乗り前降り」である。降車時に運賃の支払いや定期券の確認を行う。降車用ドアの運転席側には、運賃箱と一体になったICカードリーダーが設置されているほか、このドアの客室側にもICカードリーダーが設置されており、2列での降車も可能である。

なお、途中駅で降車する場合、事前に降車ボタンを押すのが原則だが、押されなかった場合でも各駅に一旦は停車する。しかし、乗降がないと判断されると直ちに発車することがある。また、整理券を発行していないため、降車用ドアからの乗車も日常的に行われている。「前降り」方式となっているため、朝ラッシュ時に降車客が集中する駅で停車時間が長くなり、ダイヤの乱れや踏切遮断時間が延びるという問題が発生していた。そのため2006年(平成18年)7月10日から、朝ラッシュ時限定で4駅に係員を配置して、定期券利用者に限り、後寄りの乗車用ドアからも降車できるように改善された。その間、降車用ドアの客室側に設置されていたICカードリーダーを乗車用ドアに移設する作業が行われた。そして移設作業の完了した7月31日から、passca利用者は朝ラッシュ時に限り、全駅で乗車用ドアからも降車できるようになった。

その際は乗務員などの目が届かない中で運賃を支払う「信用乗車」となる。なお、一旦撤去された降車用ドアの客室側のICカードリーダーは、9月中に再整備された。運賃以外の収入を確保するため、開業当初から各種のオリジナルグッズが販売されており、チョロQ、最中、ネクタイなどのラインアップがある。詳細については公式サイトに掲載されている。2007年(平成19年)9月22日、23日、24日の3日間は、富山市総曲輪(そうがわ)地区の再開発ビル「総曲輪フェリオ」の開業にあわせて、当線や接続するフィーダーバスなどが無料運行となった。3日間で35900人の利用があり、23日には開業初日を上回る12820人の利用があった。なお、この間の費用は富山市が負担した。起点の富山駅北駅は、島式ホームに降車用の単式ホームを組み合わせた2面2線構造で、終点の岩瀬浜駅は1面1線である。他の中間駅は相対式の2面構造で、西側(または北側)が下り用の1番線、東側(または南側)が上り用の2番線になっている。

したがって中間駅では、上下列車とも進行方向に対して左側のドアで乗降を行う。なお交換設備のない中間駅は、インテック本社前駅と競輪場前駅を除いて、ホームが踏切を中心とした千鳥配置になっており、踏切の遮断時間を抑制している。また駅周辺の踏切は、列車が駅に停止することを前提に作動開始時期が設定されている。そのため回送列車(岩瀬浜→城川原がある)は、踏切の手前で停止または減速する場合がある。低床ホームは各駅ともデザインが統一されており、上屋やイスやスロープのほか、スピーカーが組み込まれたLED式の案内表示器が設置されている。さらに一部の駅には、監視カメラも設置されている。ホームの背面は、全面的にガラスで覆われており、この面が支柱を境に3区画に分割されており、中央の区画には駅名標や時刻表や周辺の地図などが掲示されている。また端寄りの1区画は「個性化スペース」として、各駅にまつわる風景などがフィルム貼付によって描かれている。

そして残りの区画は一部駅を除き「広告スペース」になっており、グッズ販売と並ぶ会社の貴重な副収入源となっている。なお「広告スペース」については、2006年(平成18年)秋以降、下奥井駅から岩瀬浜駅の間の各駅で、鳥居形のものが新たに設置された。東岩瀬駅にはJR時代まで使用されていた駅舎と一部ホームが残されており、改修工事を終えた2007年(平成19年)2月から、待合室等として利用されている。また競輪場前駅もJR時代の駅舎が残っている。駐輪場は、奥田中学校前駅以北の全駅で移管開業に合わせて新設された。公衆トイレは、移管開業に合わせて蓮町駅と岩瀬浜駅に新設されたほか、城川原駅の本社待合室と東岩瀬駅の駅舎内にも設置されている。途中の交換可能駅については、安全側線は一切設置されていないが、上下列車の同時進入ができるよう警戒信号が可能な四灯式の場内信号機が設置されており、列車の接近にあわせて警戒現示となるが、対向列車がない場合や到着済みの場合、進行現示となることがある。

対する出発信号機は二灯式である。ただし奥田中学校前駅は、併用軌道区間との境界にあたるため、変則的な信号配置となっている。また城川原駅には入出庫用の信号機も設置されているほか、両端駅にも場内・出発信号機が設置されている。分岐器については、富山駅北駅と城川原駅を除き、転轍操作が不要なスプリング式が使用されている。いずれも氷雪による動作不良を防止するため、散水や加熱による融雪装置が設置されているほか、付帯する曲線区間にはガードレールが設置されている。自動列車保安装置については、ATS-SW形(地上子の銘板表記による)が使用されており、第一種鉄道事業区間に限り地上子が設置されている。出発信号機の直下には即時停止の地上子が設置されており、また交換駅入り口側の分岐器手前には速度照査のため二個一組の地上子が設置されている。さらに終点の岩瀬浜駅にも、車止めの手前で停止できるよう複数の地上子が設置されている。北陸新幹線の建設にあわせて実施される富山駅周辺の連続立体交差事業計画が具体化する段階で、富山港線の取り扱いについても検討されたが、費用対効果や用地などの面で高架駅への乗り入れは見送りとなった。

そのため、旧富山港線が市道綾田北代線を横断していた中学校踏切までの区間を廃止した上、その代替となる延長約1.1kmの併用軌道を市道上に建設して富山駅までのルートを確保すると共に、既存区間も路面電車仕様に改良することになった。この計画の妥当性を検討するため、2003年(平成15年)に「富山港線路面電車化検討委員会」が組織され、路面電車化のほか、現状を維持しながら高架化、全線を廃止してバスで代替、の3案について様々な試算が行われた。その結果、路面電車化した場合、2006年(平成18年)から30年間で累積される社会的総便益が最も大きくなるとの報告が出された。