2011年3月19日土曜日

海運業では

特定重要港湾伏木富山港があり、企業向けの海洋深層水の取水なども行われている。漁業も盛ん。黒部川や神通川などの水とダムの発電により、富山湾岸では戦前から紙、繊維、化学など多くの工場が発達した。特に電力を求めてアルミ精錬工業が立地し全国一のシェアを誇るほか、アルミを使う関連産業が集まる。現在でも北陸電力の電気料金は全国で最も安い。水深の深い富山湾では、北前船などの時代から港湾が栄えており、今でも伏木富山港は日本海側を代表する港湾として木材や中古車などの交易が行われている。富山県域の富山湾では人工的な利用が進んでおり、天然海岸は0.1%以下しか残っていない。これは、海岸線を持つ都道府県の中では2番目に少ない比率である。また、そもそも富山県の海岸線は直線的であるため、海岸線を持つ都道府県の中で海岸線が3番目に短い。豊富な海産物が観光に利用されている。富山県ではその中でもブリとホタルイカとシロエビの3種を県の魚として公式にPRしている。

常願寺川河口から滑川市をはさんで魚津港にかけての沿岸一帯がホタルイカの群遊海面として指定されているほか、魚津港そばには魚津埋没林があり、それぞれ特別天然記念物に指定されており、魚津市には魚津埋没林博物館という博物館がある。近隣には魚津水族館とミラージュランドという遊園地もある。一帯は蜃気楼の展望地としても知られるが、タイミングが不定期なので一般的な観光資源とはなりえていない。射水市の海王丸パークには帆船海王丸が公開されている。伏木富山港は、富山湾沿岸にある伏木港(高岡市)、富山港(富山市)、富山新港(射水市)の総称。正式には伏木港を伏木富山港 伏木地区、富山港を伏木富山港 富山地区、富山新港を伏木富山港 新湊地区と呼ぶ。港湾管理者は富山県。港湾法上の特定重要港湾、港則法上の特定港に指定されている。富山県の主要な港湾で、富山県を含む北陸工業地域、ひいては中華人民共和国、大韓民国、ロシアなど、環日本海圏の交易拠点として重要な役割を担っている。

伏木富山港のヘドロにはダイオキシン類が含まれており、その面積は41haで、環境基準を超過する汚染底質量は286千m3であり、底質汚染のダイオキシン類濃度は160 - 10,000 pg-TEQ/gと国土交通省が発表している。富山弁は、富山県で話されている日本語の方言である。北陸方言の一種。旧国名の越中から越中方言(えっちゅうほうげん)などとも呼ばれる。北には日本海があり、東には天然の要害である親不知や飛騨山脈が交通を遮っており、富山弁は西日本方言の東限にあたる方言である。富山県は大きく分けて三地域に分けられ、富山県の中央を走る呉羽丘陵を境に、東を「呉東(ごとう)」と呼び、西を「呉西(ごせい)」と呼ぶ。また、呉西の南部にある、急峻な庄川の上流域を「五箇山(ごかやま)」と呼ぶ。これにより、富山弁も「呉東方言」、「呉西方言」、「五箇山方言」の三区画に分けられる。さらにこの区画を、「呉東東部」(下新川郡・魚津市・黒部市)、「呉東西部」(滑川市・中新川郡・富山市)、「呉西北部」(氷見市)、「呉西南部」(新湊市・射水市・高岡市・小矢部市・砺波市・南砺市)、「五箇山」(南砺市五箇山地域)に分ける場合もある。

またこれらとは別に、富山弁全体を「新川方言」(魚津市・滑川市・黒部市などの旧新川3郡)、「中部方言」(富山市・高岡市など)、「氷見方言」、「五箇山方言」に四分する見方もある。いずれにしろ、五箇山は他地域とかなり異なる方言を持っている。県内全般に西日本方言の特徴を有するが、呉東方言には東日本方言の特徴がいくらかある。一方で音韻体系では、富山弁には東北方言と共通する要素もある。断定の助動詞には「や」と「じゃ」を広く用いるが、主に呉東で「だ」や「でぁ」も用いる。県内の方言差は比較的小さいが、呉西は、呉東の新川郡の大部分と共に加賀藩の直轄領だった期間が長かったこともあり、方言も風習も石川県と似通ったところが多く見受けられる。また、かつて越中に属したこともある石川県能登の方言は、金沢弁の「〜まっし」と富山弁の「ちゃ」(後述)のどちらも使うなど、富山弁と共通する面がある。尊敬語表現には、呉西では近畿方言と同じく「〜はる」や「〜はった」を多用する。

高岡市周辺では丹波弁や播州弁などと同じように「〜てや」や「〜たった」を多用する。新川地域や砺波地方・射水市では「〜しゃる」や「〜しゃった」や「〜しゃい」も多用される。「行こう」を意味する表現には、呉東では「いかんまいけ」、呉西では「いこまいけ」を使う。また軽い命令には「いかれ」「しられ」「こられ」のように「られる」の命令形「られ」を使う。「いかんまいけ・いこまいけ」や「いかれ」に相当する石川県加賀の方言は「行きまっし」であるが、「〜まっし」の場合、富山弁よりも強制的な言い方となり、「○○しな」の意味の方が近い。富山県のアクセントは垂井式アクセントである。音の下がり目のみを区別する体系であり、京阪式アクセントのような語頭が高いか低いかを区別する体系ではない。下がり目の直前の拍をアクセント核という。二拍名詞のアクセントは、県内ほぼ全域にわたって共通し、周辺地域のアクセントとの境界も県境に一致するとみられるが、五箇山の一部で県内主流のものとはやや異なったアクセントが用いられる。

県内の主流アクセントでは、二拍名詞のうち、第1類(顔・風など)と第4類(糸・稲など)は平板型に発音される。また、第2類(音・紙など)と第3類(池・足など)、第5類(雨・春など)は、二拍目の母音が広母音(a、e、o)なのか狭母音(i、u)なのかによって変化が起きる。第2・3・5類のうち、二拍目の母音が広母音のもの(音・池・雨など)は尾高型であり、二拍目が高く、後に続く助詞が低く発音される。二拍目の母音が狭母音のもの(紙・足・春など)は頭高型であり、一拍目が高く二拍目は低くなる。このような母音の広狭による型の分裂は隣の石川県にもみられるほか、北奥羽方言や出雲方言にもある。また、動詞と形容詞の言い切りの形では、全ての語が、二拍語は頭高型、三拍以上の語は中高型で、後ろから二拍目にアクセント核がある。