大阪本社発行の早版(6版)を輸送しており、締め切り時間(18時)の関係で紙面内容が近畿・中四国・北陸・九州地域とは1日遅れでの掲載となる場合がある。宅配は中日新聞販売店を通して委託販売となっている。なお、岐阜市内の一部コンビニエンスストアでは北近畿や三重県、中四国で発行される13版が販売されている。岐阜市は、岐阜県の中南部に位置する都市で、岐阜県の県庁所在地である。旧稲葉郡・山県郡・本巣郡・羽島郡。国から中核市に指定されている。戦国時代には金華山の麓の旧岐阜町が斎藤道三や織田信長の城下町として盛え、江戸時代には南部の旧加納町が中山道加納宿の宿場町、加納藩の城下町として盛えた。現在の岐阜市はこの2つの街が核となって出来上がっているものである。岐阜県の南部に位置し、濃尾平野の北端に当たる。北部には山林を有し、南部には市街地が広がっている。また市内を横切るように、北東から南西にかけて長良川が流れており、市の大部分は長良川と支流の扇状地と自然堤防地帯にあたる。
この長良川は日本三大清流の一つと言われ、中流域が1985年(昭和60年)に「名水百選」に、また1998年(平成10年)に「日本の水浴場55選」に、2001年(平成13年)に「日本の水浴場88選」に選定されている。一方、扇状地の長良川は典型的な天井川で、市の中心部より川の水面の方が常に高く、大雨の際には洪水の危険が伴う。織田信長が、美濃国を攻略した際に、稲葉山の城下の井ノ口を岐阜と改めたとするのが定説だが、異論も一部にある。また、中山道の宿場町でもあり岐阜市南部に位置する加納宿は、今でもその面影を残している。市町村合併に伴い人口は増えているが、実質の人口は減少傾向。合併には積極的で、岐阜市広域合併協議では羽島市、笠松町、岐南町、柳津町、北方町が参加し、50万の中核都市を目指したが、岐阜市椿洞での産廃不法投棄問題に端を発した市行政の怠慢、合併後の市議会議席の調整などに失敗。次々と離脱し、柳津町のみとの合併となった。衆議院の小選挙区では、旧岐阜市部分は岐阜1区。
旧柳津町部分は各務原市、羽島市、瑞穂市、本巣市、山県市、関市、美濃市、羽島郡、本巣郡とともに岐阜3区。規模の大きな繊維問屋街が街を支えて来たが、近年は安い輸入品の台頭や、名古屋や東京への流通の集中などで衰退し、再開発に迫られてきている。近年、中心市街地の空洞化が激しく、近鉄百貨店や新岐阜百貨店、岐阜パルコと中心市街地の大型商業施設が次々と閉店。大規模な駐車場を備えた郊外の乱立する大型商業施設に商業の中心が移っている。2006年(平成18年)には10年で中心市街地の人口が2割減少し、休日に柳ヶ瀬を訪れる人は6割減少したと報告されている。又、岐阜・名古屋間のアクセス時間の短縮(JRで最速20分、朝ラッシュ時25分)で、高級品などを名古屋で購入する傾向も生まれ始めた。中心商店街の柳ヶ瀬も、経営者の高齢化を迎えている。岐阜駅前に、岐阜シティ・タワー43を建設するなど、駅前立地での逆襲も、わずかながらある。柳ヶ瀬地区で唯一の百貨店。
高島屋の子会社である(株)岐阜高島屋が運営。2005年(平成17年)に大規模なリニューアル工事を実施した。リニューアル後の業績は好調で、約160億円にまで落ち込んだ年商を約200億円程度にまで回復させている(2006年)。岐阜市郊外や各務原市、本巣市、大垣市などに相次いで大型商業施設が建設され、わざわざ電車を使ったり駐車料金を払ってまで市街地で買い物をしない傾向が強まり、岐阜市の駅周辺および中心市街地の集客力が弱った。岐阜市が自動車優遇の道路政策を行ったのも、郊外は自動車にとって便利になる一方で、中心部はますます不便になる結果を招いた。岐阜市内は以前から地元消費傾向が強かったが、近年は、市街地の空洞化と高年齢化が進み消費力が減少。これが地場産業の低迷、市街地の経済沈下に拍車を掛けるという悪循環を生み出している。名古屋にもパルコや高島屋が出来て、テナント数の規模なども岐阜の店舗より多いため、名古屋から岐阜に来る客のパターンが次第に逆の岐阜から名古屋へ変わった。
岐阜市には、岐阜市交通事業部(岐阜市バス)が2005年(平成17年)に採算悪化のため解体、路線と使用していたバスの一部は岐阜乗合自動車に譲渡したため、市営バスなるものが存在しない。そのため、事実上この一社が岐阜市の公共交通機関を運営していることとなっている。岐阜市の中心市街地であり、オフィスや商業施設が立ち並ぶエリアとなっている。現在は空洞化が著しいが、下落を続けていた地価も下げ止まり、ゆるやかながら回復の兆しも見えている。近年、再開発事業が展開されている岐阜駅前は鉄道アクセスのしやすさなど利便性が見直されオフィスビルや高層マンションの建設が進められている。これは岐阜市郊外から、インフラが整備され利便性の高い岐阜市中心部への都心回帰をにらんだものともいえ、岐阜駅周辺の活気を回復させる試金石となっている。特に2007年(平成19年)3月からは付近の道路の自動車通行規制が解除され、これが地元にとって活性化に繋がるものと期待されている。
柳ヶ瀬でも再開発の動きが見られ、高齢化社会を迎える今後にあたり中心市街地の動きがこれからも注目される。金華山、岐阜城、長良川温泉などの観光資源を抱える風光明媚なエリアである。金華山の袂にある伊奈波神社から米屋町周辺では大正年間の旧家屋や洋館などが建ち並び、長良川鵜飼いの鵜飼い船乗り込み口周辺の玉井町筋(湊町、玉井町、元浜町)は米屋町同様に旧家屋が建ち並ぶ。岐阜の大動脈でもある国道21号線がエリアの東西を貫いており、各務原市との境界付近に東海北陸自動車道岐阜各務原インターチェンジが設置されている。ロードサイドには各種郊外型店舗が林立し、カラフルタウン岐阜など、郊外型の大型商業施設も立地している。岐阜県庁舎、岐阜県警察本部、福祉・農業会館など県関連の官公庁のほか、岐阜県美術館、岐阜県図書館、県民ふれあい会館などの文化施設もこのエリアに所在する。濃尾平野の北端で標高の低い山が点在し、山を切り開いた団地が数多く見られる。
長良川河畔の岐阜メモリアルセンターには長良川陸上競技場や長良川球場など各種スポーツ施設があり、スポーツのイベント会場として広く利用されている。このエリアには畜産センターや岐阜ファミリーパークなどの大型の公園、岐阜大学、岐阜運転者講習センター、岐阜刑務所など大型の公共施設が多い。マーサ21(ジャスコ岐阜店)など大型商業施設も立地している。また、東海環状自動車道岐阜インターチェンジの設置が予定されている。