2011年4月28日木曜日

福井の球団創設時の運営法人であった

「スポーツコミュニティ福井」(以下「コミュニティ社」)の設立時の資本金は当初8000万円が目標だったものの、実際にはBCリーグ6球団最少額の5670万円にとどまった。またスポンサー収入も他5球団が平均5000 - 6000万円を確保しているのに対し、福井の初年度のスポンサー収入額は4020万円と著しく少額で、さらに2009年は2910万円にまで落ち込んだ。他球団では大口スポンサーを確保するなどして収支の安定化を図ったり、地元財界や自治体から金銭面や運営面で協力を得るなどといった経営努力が図られているが、福井にはそうした動きが少なく、球団の県民への浸透度の低さ、企業・行政のスポーツ文化に対する意識の未熟さなどが指摘されていた。その結果、福井が抱える2009年5月末時点の累積赤字は約5300万円にまで及び、資金繰りもままならなくなるなどし、一時は「今季の継続も困難」(元コミュニティ社社長・清水昌勝)となる状況にまで追い込まれた。このため同年6月23日、コミュニティ社は地元紙である福井新聞社に対して支援の要請を行うことを発表した。

福井新聞はニュースを伝えた記事の中で「球団発足以来、報道や協賛協力などチームへの応援を重ねてきた。シーズン途中での破たんは避けなければならず、各界各層の協力も得てこれまで以上の支援の在り方を検討したい」と記した。そして7月2日に行われた臨時株主総会と取締役会において、前球団社長の清水をはじめとする旧経営陣3名が責任を取って退任(但し、3名とも引き続き参与として経営には継続して参加する)。代わって新たな経営陣が選任され、球団社長に福井新聞社専務の吉田真士、球団代表兼専務に同社前事業局長の新谷隆美(同社より出向)、取締役に同社社長の吉田哲也、BCリーグ代表の村山哲二ら4名の計6名が就任。このうち福井新聞社からは5名が占め、同社が中心となって経営再建に乗り出すこととなった。球団社長に就任した吉田は経営継承にあたって「福井の将来を考えたことが一番の理由。あくまでも『県民球団』であり、決して福井新聞社だけで支えられるものではない。

県民にこれまで以上の関心を持ってもらいたい」と訴え、今後の経営体制について「さまざまな課題を整理した上で、経費抑制や新たなスポンサー探しなどこれから効果的な策を具体的に検討し、収支の均衡を図れるようにしていきたい」と述べた。またBCリーグからも職員が派遣され、球団運営のノウハウを伝えるなど球団とリーグとの連携を密にし、経営改善が図られることになった。しかし、同年12月末の段階で約8000万円の累積赤字を計上するなど、経営危機を完全に払拭するまでには至らず、スポンサーからは財務体質の改善を求められるなど、球団の存続を危ぶむ声もあった。このため2010年2月10日、コミュニティ社は福井新聞社本社で記者会見を行い、経営基盤の強化や健全な運営を目的に、新会社に事業を譲渡する方針を明らかにした。

吉田は席上、新会社は福井新聞社の全額出資によって設立し、選手・コーチとの契約や後援会、スポンサー企業との関係をそのまま継承した上でコミュニティ社を解散し、新会社の経営を安定化させた上で県内から広く他の出資者を募っていく方針を示した上で「不健全な経営状態では銀行からの借り入れや増資も受けられず、球団の存続もままならない」と、あくまでも球団存続のための事業譲渡である旨を説明し、理解を求めた。そして2月25日に福井市で行われたコミュニティ社の株主総会で、球団運営を新会社「福井県民球団」に全面譲渡し、コミュニティ社を解散する方針が全会一致で承認され、新社長には福井新聞社常務の伊東博之が、コミュニティ社の清算人には前社長の吉田がそれぞれ就任。また取締役には引き続き福井新聞社の吉田哲也社長、BCリーグの村山代表が就任した。県民球団社は福井新聞社が300万円を出資し、今後県内を中心に幅広く出資者を募ることになった。

伊東は新会社の商号について「県民に最も分かりやすく、まさに球団が目指すところ」と説明し「選手強化はもちろん、県民により身近に親しんでもらえるチームづくりを行いたい。できるだけ早い段階で、経営の黒字化を目指したい」と運営方針を強調。観客動員も前年約38,000人(1試合平均1,050人)から40,000人超(同1,200人)まで引き上げる目標も示された。私設応援団「福井牙闘会(がとうかい)」のリード(笛、太鼓、トランペット)により、メガホンと声を使っての応援が主となる。ナイターでの主催試合の場合は21時以降の応援は鳴り物の使用を禁止し、太鼓、トランペット、メガホンの代わりに手拍子に変更となる。(ビジターの場合も基本的には21時を原則として鳴り物を禁止とするが、小松末広野球場のように球場側独自の応援ルールがある場合はそれに従う)主催試合の場合7回裏攻撃前に球団イメージソングであるナナ・イロの「YELL(エール)」に乗せて黄色いジェット風船を飛ばす。

(2008年後期リーグ戦より)チャンステーマは3種類あり、一つはJITTERIN'JINN(Whiteberry)の『夏祭り』を使用したチャンステーマ (東京ヤクルトスワローズの応援団チャンステーマでも夏祭りが以前より使われており、その応援を流用している)もう一つは2010年より使用されている「全開福井」(社会人野球の本田技研工業の共通応援歌「全開HONDA」の流用)。さらに、2011年より新チャンステーマとして、福井市民の歌「わたしのまちときめきのまち」のサビ部分を流用したものが使用されている。選手別応援歌が作られているのは一部の選手のみだったが、2010年より野手全員に応援歌が作られた。この応援歌はほとんどが過去に埼玉西武ライオンズで使っていた曲の流用である。(エレファンツ応援団内にも旧ライオンズ応援団員が何人か在籍している)最終回の攻撃には「LOVESONG探して」(ファミコン版ドラゴンクエストIIのふっかつのじゅもん入力画面が原曲)の替え歌を合唱する。

 これは千葉ロッテマリーンズの応援「俺たちの誇り」を流用したものである。得点時、勝利時には「イッチョライ節」が演奏される。